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東京知道会会長挨拶

助川 裕 (昭和42年卒)

最高裁判所について

 

日本の最高裁判所の裁判官は15名で、定年は70歳である。これに対し、アメリカの最高裁では9名制で、しかも終身制(辞任ないし死亡までが任期)になっている。私も、不勉強で最近『ザ・ナイン アメリカ連邦最高裁の素顔』(ジェフリー・ツゥービン 河出書房新社 2013)で知った。


本書によると、アメリカの最高裁判事は多士済々で、かなり個性的な面々で構成されている。しかも、選任が上院を経由するためかなりの政治的駆け引きの結果、確定する。共和党と民主党との政争が、最高裁人事にもろに反映されるのである。そのうえ、最高裁で取り扱う重要案件は、人工中絶の是非、宗教活動の限界、連邦制度と州制度の調和、州際通称条項、捜索差押の限界等の国論を二分する思想内容を含むものとなっている。現時点でのアメリカ最高裁判事の年齢は、83歳を筆頭に70代が3名、60代が4名、50代が1名となっており、よく体力的にこれらの判断をしていると思う。確かに、ロークラーク制度があり(多分、日本の最高裁調査官制度と類比的と思われる。判例・学説の調査を担当し、必要な資料を収集している裁判官で、その出世コースであるとされる)その補助を受けているとしてもかなりハードである。75名以上のロークラークから取材して、本書をまとめたとされているが、アメリカ最高裁の判事の個人的趣味から、政治的活動内容までかなり詳細な内情報告となっている。その意味で、日本であれば、国民審査の際にこのような本があればかなり役に立つと思われる。


日本でも、検察官の人事やその動向に関しては内輪ものの書籍が確かに出版されている。例えば、『市場検察』(村山治 文江木春秋 2008)、『時効捜査』(竹内明 講談社 2010)では、証券取引等監視委員会や警察庁長官狙撃事件の関連でかなりの内情調査をしているが、裁判官についての書籍は寡聞にして知らない。1981年に『裁判官紳士録』(現代ジャーナリズム出版会)なる書籍が出版されたことがあるが、これは裁判官の判決傾向についてのコメントを集積しただけのものであった。
日本とアメリカの司法制度は多くの点で違いがありその知識があると思い込んでいたが、最高裁レベルでこれだけの相違があるとは全く認識していなかった。同窓生諸氏も是非読んでほしいものである。

以上

 

今までの記録

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